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(※2020年参加セッション) アートってどんなもの? 「ストリートの精神で街にアートを仕掛けるアーティスト」 松下徹さん

【Inspire High 初期 活動報告書No.4】        


Article by:未来miku


開催日時:2020/2/16(日)13:00〜14:30

参加者 :未来miku



(1)松下徹さんのプロフィール

神奈川県横須賀生まれ。米軍基地や海がそばにある環境で育つ。

東京藝術大学:先端芸術専攻修了。従来の絵画、彫刻、デザインといった既存の美術のジャンルを決めず、新しい形や概念を求めていく学科。大学に入学はしたものの、2005年頃にはまだストリートアートがそこまで有名になっていなかったため、教えてくれる先生はいなかった。就職活動というよりも、自分で展覧会を開いたり、企業の建物の壁に絵をかかせてもらうなど個人アーティストとしての活動をしてきた経緯がある。


(2)インプット情報


①表現場所・活動内容 

路上から被災地までさまざまな公共空間

(被災地防潮堤・閉鎖されたスケートパーク・百貨店の化粧品売り場等)

SIDE CORE(サイドコア:街の中でおもしろい事をやろうという団体)のアートチームのディレクター。

BUCKLE KOBOというアートファクトリーというアトリエで活動。

このアトリエ名は湾岸ベルト地帯といわれる地域の京浜島にあり、世界各国の色々なアーティストがベルトのバックルのようにつながっていくという意味で名付けられた。2021オリンピツクの翌年がどうなるか リアルな生活が気になる。それを題材にし、アトリエの建物の壁等にアート作品を作っている。

( 2020年12月31日でサービス終了)


②松下さんのその他の活動

(1)福島展覧会での作品制作

福島の山奥(雪がたくさんふる場所)で展覧会があった。作品として、雪はひとつとして同じ形がない事からさまざまな雪の形を表現した作品を作った

(2)鉄工所フェスの開催

個々で活動をしているとミユージシャン含め色々なアーティストに出会える。そこで工場が連携し3000人から4000人ほどの人を集めフェスを開催した。路上を封鎖し、警察に届け出をし、路上で音楽ライブを行った事もある。

(3)壁画プロジェクトについて

行政や企業に協力を要請。建物の壁に巨大な壁画を書く。広告の扱いになり日本では税金がかかる。でも国の垣根をこえて世界中海外からきた個人のアーティストつながれる。


☆アートの世界では落書きやいたずらは

「GRAFFITTI(グラフィティ)」とよばれる。

中でもストリートアーティストの代表はイギリスの覆面アーティスト、バンクシーである。

バンクシーは勝手に街の中に風刺画を書いたりしている。またメトロポリタン美術館や大英博物館などの館内に無許可で作品をならべたりするなどのパフォーマンスが有名なゲリラアーティスト。作品については数億円の価値がつくものもある。

ストリートアートはペンキを使ったり、最近はスプレ缶で絵を描くアーティストも多い。


③松下さんのLIVEペインティングについて

今回のセッション時にライブペインティングを見せていただいた。

電気を使って絵を描くという「高電圧の電流によるドローイング」

壁にかけた木板に高電圧の電流を流し、電気の流れた形をそのまま木板に焼き付けるアート



(3)松下徹さんへの質問

①誰にも気づかれずに描くことはできるのでしょうか。

バンクシーはとても緻密に計画をたてて気づかれないように活動していると思われる。


②絵をかくのが嫌になったことはあるか

ある。ただし、嫌になることが癖になる点がかえって面白いと考えた。そして苦しい時間も大切である事を知った。他のアーティストも言っていた事ではあるが、長い間かかって考えたり、苦しまぎれで出た案や出来た作品は良いものが多い傾向がある。


③高校生から絵をはじめても平気か。平気ならばその一歩はどういう事をすればよいか

大丈夫。苦しむかもしれないけれど、根気強くやっていくこと。特に美大や芸大にいかなくても活動しているアーティストはたくさんいる。

第一歩については何か普段見ていないようなものを見たり、新しいものにふれること。また、ストリートアーティストならばまずはとにかく「街歩き」普段みている風景の中で変わったものを見つける力をつけること。観察する事から物語がはじまる。


―ストリートアーティストとしてのインプットとアウトプットについてー

インプットの時期にたくさん作品を作っておくこと。アウトプットは自然と作品がたまったら発生する。また、ある程度作品が出来たらアウトプットの日程を決め、締め切りをつくる。それによって自分を追い込むという方法もあり。


(3)松下さんから子供達へのメッセージ


①アートは絵をかくだけではない。社会の中で一人の人間が直接社会にメッセージを伝えたり、時には企業にかかわっていくというイメージ。企業や組織では出来ない個人の提案が社会に通じていくのがアート。絵は家に飾るためだけの物ではない。


②まず好きな事(いくら調べても苦にならないような事)を見つけて行動する。

*例えばストリートアーティストをめざすとして、街歩きをする場合、歴史関係が好きならは街歩きではモニュメント・ファッション関係の人は他人の洋服等を見て検索したり、歴史をさかのぼったり、その道の第一人者を見つけて研究するなど


③好きな事をやって生きていく方法をみつける。


④すぐに実行できなくても交渉することによって「出来ない」が「出来る」に変わるかもしれないので、根気強くおこなっていくこと。

*例えば、松下さんのアートチーム「SIDE CORE」での実現例

「スケートボードについて、五輪種目になるほどのメジャーなスポーツ」と最近は認識されており、世間では完全にスポーツ認定をされていると思われる。これにより、ストリートスケーターに対する風当たりが一層強くなっている現状あり。スポーツ なのだからスポーツ施設(パーク)で滑ることしかあり得ないものという認識となっているため、公道でスケートボードした若者の逮捕が増えてきている。容疑は「道路交通法違反」。


(4)アウトプットについて

テーマ「渋谷の壁に描いてみたい言葉を考える。」

街の中で個人の人がストリートアートとして描いてみたらおもしろい言葉を考える。

実際に松下さんが渋谷の書店の壁に書く許可を得ている。

(株式会社CINRAが許可申請済)


(以下のアート例を参照)

①イチハラヒロコ(1963年 - )

日本の現代美術アーティスト。京都芸術短期大学ヴィジュアルデザインコース専攻科修了。1991年の個展「この人ゴミをかきわけて、はやく来やがれ、王子さま。」(HBギャラリー、東京)以来、日常感覚とユーモアに満ちた言葉による文字だけの作品を制作している。作品には主に写植、モリサワのゴシックMB101を用いる。世界各国では、「万引きするで。」と書かれた紙バッグを商店の客に配るプロジェクトなどが有名。

②ポストイット(付箋)を大量に貼ったアート

ポストイットにメッセージを書いたものをたくさん貼る。ポストイットははがせるので違反にはならない。ニューヨーカーがトランプ氏に抗議した際のカラフルなアート

③平和を訴え続けたアーティスト、オノ・ヨーコのアート

「WAR IS OVER!」

建物の看板広告にあたる部分に個人で「あなたが望めば戦争は終わる」という反戦へのメッセージを描いた。


Inspire High

Inspire High(インスパイア・ハイ)は、アーティストやビジネスリーダー、

研究者など、第一線で活躍し、自分の人生を楽しむ様々な大人から、

自分の世界を広げるインスピレーションをもらう、オンラインサービス。

https://www.inspirehigh.com/ Inspire Highさんのnote


未来miku

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