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(※2020年参加セッション) 言葉ってなんだろう? 半世紀以上言葉と向き合う詩人 谷川俊太郎さん

【Inspire High 初期 活動報告書No.5】        


Article by:未来miku


開催日時:2020/3/1(日)13:00〜14:30

参加者 :未来miku



(1)谷川俊太郎さんのプロフィール

詩人・翻訳家・絵本作家「谷川 俊太郎(たにかわしゅんたろう)」88歳。宮崎駿監督の大ヒットアニメーション映画「ハウルの動く城」や手塚治虫のアニメ「鉄腕アトム」の主題歌の作詞を担当。

21歳で第一詩集『20億光年の孤独』を刊行。

その後、約60年間にわたり「言葉」に向かい続けてきたスペシャリスト。


(2)インプット情報


①「二十億光年の孤独」を書いた際のイメージは?

10代の終わり頃、これからどうしたらよいか…という不安な気持ちから生まれた作品。今自分が住んでいる場所(杉並区)→ 東京都→日本→世界→宇宙の中にいる生あるものとしてこの世界(宇宙)に生まれたものは本質的に孤独や不安を持っているという事を述べている。


(3)谷川 俊太郎さんへの質問

①長寿の秘訣

→のんきでいること。あまり色々気にしないこと。生まれつきの性格もあるが、過去にこだわらず、未来も気にしない。今現在に全力投球という感じの生き方。


②夢を見つけられない。憧れはあっても将来性を考えると気持ちが落ち込む。どうしたら自信をもてる夢を見つけられるか。

→自分の好きなものを見つけて追いかけて行くことかと思う。当時、自分はもともと詩を書いてはいなかった。友人が書いていた詩を好きになったことから後になって自分もたくさんの詩を書く事になった。


③音楽や文学は好きであるが、感性の磨き方を教えてほしい。

→一生懸命になることや好奇心をもつこと。ただし、好奇心を持つこと、行動に移すかは生まれ持った性格によって違いは出てくると思う。


④1人の時間が嫌いである。まずは寂しいし、友人や他人と過ごす時間を持たないと時間

を無駄にしている気がする。どうしたらよいか?

→「友人と何かしなければいけない」と思ってしまうのは現代病だと思う。1人で考え事をしたり、音楽を聞いたり、自分の好きなことを実践すれば時間の無駄ではない。


⑤詩を作るのは「好き」「得意」どちらだったと思うか。

友達の作った詩を好きになったのでまねをした感じ。詩とは「お見合い結婚」のようなもの。相手をだんだん好きになっていくような感じである。


⑥「大人」を定義したら何か

人は社会で生きていく上で自分の中の子供の部分を抑圧して生きている。自分の中の子供を直感出来るのが大人だと思う。なお、自分は実際に一人っ子のマザコンである。それを抑圧し生きているが、詩を書く事によって解放している感じである。


⑦自己表現や感情の表し方が苦手である。自分一人になった時に影で悪口を言ったりしてしまい、落ち込んでしまう。自己嫌悪に対する対策を教えてほしい。

→他人に対して自分の見せ方やイメージを高くしすぎているせいではないかと思う。自分のありのままを出せればよい。ボランティアやアルバイトなどをし、他人とかかわる方がよいと思う。


⑧現代の孤独について

→今は他人との接点は人数的には多い。ただし、インターネット等でつながった希薄な関係である。昔のようにリアルでけんかをするような濃いつながりは少なくなった。現代において、他人との関係性自体が変わったと思う。個人的には昔のリアルでのゴタゴタやバタバタが自分の経験になったと感じている。


⑨言葉の怖さ・暴力についてどう思うか。

→目の前でリアルに起こる言葉の暴力・怖さについてはきちんと向き合って解決しなければいけない。ネット上の文字で起こる言葉の暴力・怖さはまったくちがうものである。なお、ネット上での言葉の暴力は「気にしない」という事でよい。


⑩自分がやりたいこと

→死んでみる事である。今と違う世界ではたして自分がそこにいるのか、それともいないのかを知ってみたい。


⑪好きなことだけをして生きていくのは不安ではなかったか。

→自分は不登校児で家にいた事もあり、将来食べていくことが出来るかは確かに不安だった。詩を書く事によって自分と社会がつながり、関係が落ち着いたことによって不安がなくなってきたように思う。


⑫絵や絵本を書く際、絵が先か言葉が先か

→最近は言葉が先で絵を絵描きさんにかいてもらう方が多くなった。絵と言葉が足し算ではなく、掛け算になるほうが楽しいと思っている。


⑬座右の銘は何ですか

→以前は違う言葉にしていたが、何度となく聞かれることが多くなったため現在は「好き」という言葉にしている。「愛」にすると複雑で重い感じがあるので「好き」という言葉にした。座右の銘に選んだ理由として「好き」にならないと何もはじまらないと思ったから。

これからの子供達には「嫌い」な事は断ることができるという力をもってほしい。そして「好き」な事を自分の力にしていってほしいと考えている。


(4)アウトプットについて

テーマ「アクロスティック形式を使用し自分を紹介する詩をつくる。」

*アクロスティック【acrostic】とは

文章や詩の各行の先頭または末尾の文字をつなげると、ある語句になるという言葉遊び。→日本語では「折句 (おりく) 」という


Inspire High

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未来miku

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