【Inspire High 活動報告書No.7】
Article by:未来miku
開催日時:2020 11月19日(木)21:00〜22:30
参加者 未来miku
⦅学ぶって大事なこと? タレント 田村淳(ロンドンブーツ1号2号)⦆

田村淳 さん プロフィール
1973年山口県生まれ。タレント:ロンドンブーツ1号2号を結成し、さまざまなメディアにて活躍。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に現在在学中。そして今年2020年にはYouTube「ロンブーチャンネル」を開設するなど、テレビタレントの枠を超えた活動にも挑戦している。
(2)年表History
高校時代→工業高校建築科に通う
18歳→お笑い芸人デビュー
44歳→番組企画で青山学院大学を受験するが不合格。
45歳→慶應義塾大学大学院受験し合格。
現在→芸能活動と学生生活を両立中。
(3)田村淳さんへの質問
①高校生の時に大学受験を考えなかったのですか。
自分としてはテレビにでて仕事をしたいという夢が既に中学生の頃からあった。大坂の吉本興業のオーディションを受けることを考えていたので、高校についてもその当時は進学しようとは考えていなかった。しかしながら、普段はあまり意見しない父親が高校だけはいくようにと説得してきたという事もあり、高校進学を決めた。
建築には興味があったので、工業高校の建築科を選んだ。高校に進学した後、大学受験については一切考えなかった。東京に行き、テレビに出演してどう活躍するかを考える3年間だった。今振り返ってみると、大学というものを勘違いしていたと思う。自分の知りたい事について教えてくれる教授がどんな大学にいるか、またそれを研究できる設備があるか等事前に調べていたら、大学は自分が興味を持っていることについて学ぶことが出来る場所と知り、高校時代にも大学受験を考えたかもしれない。
②中学生からの夢を追い続ける事は怖くありませんでしたか?
胸の中にある夢が本当に大きかったので、それを抑えてしまう事のほうが怖かった。だから自分に正直に行動した。
中学生のころはまわりと自分を比べる状況がどうしても多いので、その時は不安になることもあった。しかしながら、ある時から人と比べるのをやめた。そうしたらすごく楽になり、自分の中にある大きな夢を大切にすることが出来、幸せに思うようになった。
③大人になってから受験しようと思った理由は何ですか。
今は「遺書」について研究をしている。きっかけは母親である。自分が20歳になった時から毎年1年に1回繰り返し「延命治療はしないでほしい」というメッセージを母が家族に伝るようになった。母は自分がどのような「生き方・死に方」を考えているか家族に伝えたかったのだと思う。母が亡くなった時、家族は母の尊厳を守って対応することが出来た。一般的には「死に方」を生前から色々と話すのは嫌がられる傾向がある。青山学院で「答えのない問いをたてて答えを出すことではなく、議論する事が答えである」という法哲学というゼミがある事を知り、学んでみたいと興味をもったためである。
④青学の企画で合格する自信はどれくらいありましたか
自信はまったくなかった。現代文・英語・日本史の3科目受験だった。勉強するほど成績がアップするのは嬉しかったが、英語が苦手だったこと、仕事と両立しながらということもあり、残念な結果となった。
⑤1年後に慶應義塾大学を受験したのはなぜですか。
自分の場合、やりたいことを友人含めたくさんの人に話していた。そのおかげで青山学院ではないが、自分にあっていそうな講座をやっている教授が慶應義塾大学にいることを知った。そして、大学ではなく、大学院にいったらどうかと知人が提案してくれたことも受験を決めた理由である。
今まで積んだ社会人経験をレポートとして提出することによって、大学卒業見込みとして、大学院受験資格を得るという方法で対応をした。
⑥大学院で勉強している「遺書」についての研究を詳しく教えてほしい。
日本には「遺書」と「遺言」の2種類があるが、違いをはっきりわかっている日本人は少ない。また、日本では生前に死について語ることはタブーとされる傾向があるのも事実である。はじめは残された家族のために遺書を書き始めるわけだが、途中で家族だけでなく、自分のためにもなることに気がついた。ネガティブなイメージの遺書であるが、実際に書くことによって、自分にとって大切な人や事柄が明確になった。大勢の人から、「愛を文字で表現し、書き残す事にもつながるので、ポジティブに思えた」という結果も得られたので、さらに研究を続けることになった。
また、ワークショップを開催して、大学生に遺書を書いてもらうという事もおこなった。自分の死に向き合うので号泣する人もいた。年令を重ねた人たちは、それなりに魅力的な遺書を書けるようになるが、生きている年数だけではない深いものがあるように自分は思えた。遺書は「人のために書く」だけではなく、「自分のために書く」そして「死ぬために書く」のではなく、「生きるために書く」という自分が今までもっていた遺書の概念が大きく覆えるという体験をした。そして、その体験から遺書についてもっと多くの人に知ってもらいたいと考え、動画での展開もしはじめた状況にある。
⑦動画でのサービス「イタコト」について教えてください
遺書の動画サービスアプリになる。スマートフォンを持っている人が現在は増えているので、自分の遺書の管理を出来るシステムを作った。実際に遺書を作るだけでなく、作ったものを変更出来たりするような内容も取り入れている。
まずはアプリ開発のため、一つのサービスを作り上げる時にどんな事が必要かを調べたところ、慶應義塾大学の大学院メディアデザイン研究科の事を知った。必要な学びをひととおり概要として学習ができるようになっている。そして、その中でも自分が特に学びたいことは専門に学習するという学びになる。
⑧アプリを使っている人はどういう人に遺書をおくっているのだろうか。
両親・配偶者が多い。次に子供・友人の順番になる
数年来の友人に遺書をおくり、深い気づきがお互いにうまれたということがこのアプリサービスによってわかったのを知り、自分もとても気に入っている。
⑨遺書に関して深く関わるようになって、田村淳さん自身の生活は何か変わりましたか。
ネガティブなイメージの遺書ではなく、ポジティブな遺書について、自分から率先してみんなに発信していきたいと思うようになった。たとえば、どこで死にたいとか死んだら家族にはどう対応してほしいかとかである。
現代、自殺者が多いことについても問題があると自分は考えている。便利な世の中になった反面、無意識に他人と比べて自信をなくしたり、生きづらい世の中になったともいえる。そのように悩んでいる人にも自問自答する機会を作ってあげることにつながると思っている。何が大切かを考え、自分の軸をつくってポジティブに生きていく事が出来て、今生きていることの尊さに気づいてもらうためにもアプリを役立ててもらいたいと考えている。
⑩自分に嘘をつかないということは具体的にどういうことですか。
自分がやりたい事がでてきた時に「周りの人は嫌がるかもしれない」と思う事柄でもまずは人に伝えてみることである。その際、伝え方は特に重要となる。自分勝手に発言したり生きていくということではない。相手の事も考えた上でアウトプットをするというのが自分に蓋をしない、すなわち自分に嘘をつかないという事だと考えている。
⑪安楽死についてどう思うか。
もし、安楽死を望む人がいるならば、出きるだけ望むようにしてあげたいとは思う。ただし、不治の病で直す手立てのない人に限ってのみである。安楽死については賛否がある。たとえば、長く生きられるのに選ぶ自殺だったり、自殺を権利であると主張する意見については、自分の中では確実な答えはまだ出ていない。「答えのない問いをたてて議論する事が答え」なのではないかと思う。
⑫自分のやりたい事を学ぶために行く大学なのに、受験勉強はそれと関係のないことばかりをやらなければいけない気がする。どうすればよいか。
自分のやりたい事が出来るようになるために大学に行く必要があるならば、大学に入るための受験勉強はするべきだと思う。ただし、大学にいかなくてもかなう夢ならば、受験勉強し大学に入るという道は選ばず、大学での勉強に匹敵する位の知識や経験をしてほしいと願っている。
⑬途中で挫折してやりたくなくなった場合、それは本当にやりたいことではなかったという事になりますか?
自分はそのようには思わない。
小学生の頃、作文で「将来の夢を書く」という授業があった。自分はその時20個夢を書いた。その後、先生から一つに絞るよう言われて「総理大臣になりたい」という一つだけを書いた。かなう夢とかなわない夢があるが、その夢はかなっていない。たとえかなわなかったとしても、自分の夢にむかって頑張った経験が次の何かの夢につながっていくと思う。だから、失敗を失敗と思わずに興味を失った夢でも、失った理由を振り返って次にいかそうとすればよい。途中まででも頑張った小さな成功体験の積み重ねで自信をつけて次の夢に向かってほしい。
子供達へのメッセージ
今回のテーマ「学ぶって大事なこと」について、学ぶ意味とは何だと思いますか?
自分が次に一歩踏み出す道をてらしてくれるものだと思う。学校で学ぶ事とは別に社会に出ないと気づけなかった事が自分にはたくさんある。自分が知りたいと思ったこと、知っておくと役にたつこと等、内容は何でも良い。自分が興味のあることを人にたくさん聞いてみる。そうしたら自然と一歩が踏み出せる。その瞬間は何かを学んでいる時だと思ってほしい。
(4)アウトプットについて
【自分だけの問いをみつける】
1.あなたの問いはなんですか?
2.問いのきっかけになった経験を教えてください。
3.イメージ画像を添えましょう。
~ガイドの考え方~
☆司会者のイアンさんから田村敦さんに考え方として質問☆
Q.今回のアウトプットに対して、田村敦さんがご自身で勉強されていることについて問いとしてまとめるとどういう問いになりますか。またその問いに少し答えは出て来ましたか?
A.問いにするなら「何で死ぬって怖いのでしょうか?」と言えるかと思う。みんな死についてわからないし、知ろうともあえてしないから「怖い」と考えてしまうのではないかとわかってきた。自分で調べてみたり、遺書を書いたり向き合ってみたら「怖い」というだけではないことがわかると思う。例えで言うならば、見た目が怖そうな人でも話をしてみるととても優しく話しやすい人だったというイメージがわかりやすいと思う。
*アウトプットにあたり田村敦さんからアドバイス*
急に出される問いに答えるのは自分は苦手である。それはきっと他人と比べているからだと思う。一般的にはくだらないと言われてしまうことかもしれないが、自分の中で現在気になっていること、自分の内側を見て純粋な気持ちで、今回はアウトプットしてみたら良いと思う。
未来mikuのアウトプット
(1)なぜ詐欺に引っかかってしまうのか?
(2)テレビでオレオレ詐欺の特集を見ているときに思いました!これだけたくさん報道されているのにも関わらず、なぜ騙される人がいなくならないのか疑問に思いました。例えば、オレオレ詐欺だと、なんで自分の子供だと勘違いするのか?振り込め詐欺の場合はどうして簡単にお金を払ってしまうのか?私の願いとしては、このような犯罪かなくなってほしいと思っています。
未来mikuの感想
今回、田村淳さんのセッションを聞いて、自分を振り返ることは重要な事だと改めて感じました。遺書を書くことによって自分と向き合い、自分にとって何が大切だったか、どんなことに助けられたかなどをもう一度深く考えることができると思いました。また、自分がやりたいことを学べる大学を具体的に調べたり、真剣に考えようと思います。田村淳さん、ありがとうございました!
☆お知らせ☆
友人(ゆず)も自身のHPでInspire High(インスパイアハイ)サポーターとしてレポートしており、今後記事は2人で交代でアップしていく予定です。
(前回の野田洋次郎さんのレポートは、ゆずが書いています。)
【「自分ってなんだろう?」今回のガイド:ミュージシャン 野田洋次郎さん(RADWIMPS)】
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