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物語はどこから生まれる? 映画監督 枝優花さん Inspire High レポート 4

【Inspire High 活動報告書No.4】        

Article by:未来miku


開催日時:2020 8月30日(日)13:00〜14:30 

参加者 :未来miku


⦅物語はどこから生まれる? 映画監督 枝優花さん

*司会のイアンさんからセッション前の質問*

Q→587という数字は何だと思うか。

A→日本にある映画館の数。多かった時期から半分ほどに減少。


(1)映画監督 枝優花さん プロフィール

「いじめと癒し」を描いた映画「少女邂逅(かいこう)」は国内外のさまざまな映画賞を受賞し話題になった。物語の着想は14歳の頃で自分の実体験。18歳のころから脚本を書き、大学での自主制作や現場経験を経て22歳で映画化をした。


(2)年表History

10歳→田舎生まれで娯楽が少なく映画を見て過ごす

11歳→地元に来た演劇の先生から映像・演劇を学ぶ

18歳→東洋大学メディアコミュニケーション学科入学

19歳→映画サークルで製作した自主映画が大学の映画祭で観客賞を受賞

23歳→フリーランスとして活動。「少女邂逅(かいこう)」で長編監督デビュー


(3)枝優花さんへの質問

① 映画や映像はどのように作っているか。

最初にどういう物語をつくりたいかをみんなで決めてから脚本をつくり、スタッフを集める。ロケ地を見つけ、衣装や美術関連品を集め同時にキャストを決める。そして撮影し編集するというのがおおまかな流れ。

② 現場での撮影にたどりつくまでどれ位の時間がかかっているか。

作品によって違うが、企画から5年をかける場合もあるし半年でスタートする場合もある。


③ 一人で映画を作っているのですか。

YouTuberは一人で作品を作れるが、映画は一人では作品を作る事が出来ないメディアだと考えている。現場だけでも最低50人位は必要。映画のエンドロールを見るとたくさんの人がかかわっている事がわかると思う。


④ 製作の裏側を教えてほしい。(脚本を見せてもらう)

脚本は1ページで1分の計算で作られており、たとえて言うならば設計図である。 スタッフやキャストの名前がはじめにあり、次ページから「シーン1」という順番で書かれている。脚本上部にはカット割も書かれている。自分だけでなく、スタッフも含めみんなで脚本を共有している。

最終原稿が出るまでの脚本は20回位書き直しをしており、書き込みもある。

脚本が出来たらまずはスタッフが集合する。その後にロケ班が撮影現場の部屋の設計図を書いてくれて、カメラをどこから入れるか・俳優をどのように動かすかなどを考えていく。その後に美術さんが動く。細かい例になるが、窓のサイズがわからなければカーテンが作れない。ロケ地が決まったらすべてサイズをはかり、カーテンや机の大きさなどを決めて脚本に記入し共有していくという順番になる。


⑤ キャストを決める際に何を重視しているか。

知名度は考えていない。キャラクターにあった人かどうかを重視する。日ごろから映画やドラマを見るようにしており、他の現場からの情報収集も参考にしている。


⑥ OFFの日は何をしているか。

映画ばかり見ている。


⑦ 自分の伝えたいことをどのように映像に変換しているのですか。

自分の伝えたいことを一度言語化してから映像にしている。良いアイデアをその場で思いついたりもするが、普段から思い浮かんだことはストックしておくようにしている。また、言葉で説明出来ないことは映像として頭に残している場合もある。たとえばおもしろい子供がいたときにその映像を自分で覚えておき、映画をつくる際にそのイメージとマッチングした時には使うなどである。


⑧  自分が演じた方が早いと思いませんか。

   演者さんにはどのように意見を伝えていますか。

確かに自分が演じた方が早いのかもしれない。しかしながら、自分が出来る演技の幅は決まっている。大勢の人たちとかかわって作品を作っていくので、自分の発想の範疇をどんどん超えていく。それには色々な可能性が秘められており、みんなで作品をつくる楽しさに気がついた。俳優には「もっと明るく・もっと楽しく」というようなことは言わずに内面的なことを言うようにしている。たとえば嬉しいシーンでも寂しさが同時にある場合、寂しさのパーセントをもう10パーセント位あげてほしいと伝えるようにしている。抽象的につたえることによってその俳優さんの可能性にかけるということもある。


⑨ 進路選択(大学進学)について教えてほしい。

   映画をやりたいから選んだ進路でしたか。

地元の国公立か私立を選択するか考えたが、映画をつくるため東京に出たいという気持ちが一番だった。大学の4年間を人生の夏休みと考え、4年間は自分の可能性を試してみようと思い上京した。大学生活を遊ぶという気持ちは一切なかった。自分に自信がなかったので、やってみないとわからないと思っており、本当に映像方面で仕事をしていきたいのか確認するために専門学校には進学しなかった。映画が好きであることと映画をつくることは、別だと今でも考えている。そのため、大学の2年生までにほとんどの単位をとり、後半の2年間は映画だけでなくCMメディア含めいろいろな企業でインターンをしていた。


⑩ フリーランスを選択したことや親への説得はどうしましたか。

自主映画で賞をとったら認めてくれるかもしれないとも考えたが、最終的には親であったとしても、やったことがない人に反対されたり何か言われても関係ないと自分は思った。

結果として、自分が出来るかもしれないことに日ごろからアンテナをはっていたので、助監督にあたる方との出会いがあった。色々なことをやってたくさんの人と出会うことが大切だと思う。


⑪ これは見るべきだという映画はありますか。

国内外問わず色々なジャンルや映画をまずは見てみたらどうかと思う。俳優で選ぶのではなく、気に入った監督が見つかったらその監督の最初の作品から見てみるというのもおすすめである。


⑫ 今一番楽しいことは何ですか。

次の作品について考えている時が楽しい。


⑬ 映画業界で仕事をするにあたり、女性と男性で違う点はあるか。

違う点はある。映画業界は95%が男性といわれている。脚本の読み方ひとつでも感覚の違いは明らかである。女性として生きてきた自分にとっては何でもないセリフが男性にとっては嫌味に思えるなど難しい事は色々とある。自分がこの世界でやっていくためには女性としての戦い方のようなものが必要かもしれないとも考えている。


⑭ 物語はどこから生まれますか。

自分の外ではなく、自分の人生だったり自分の中から生まれるものだと思う。 


⑮ 最後に子供達へメッセージはありますか。

失敗を恐れて何もしなかったり、出来ない理由を探すのは簡単なことである。人生は一度きりなので、まず自分が出来ることややりたい理由など小さいところから見つけていってほしい。


(4)アウトプットについて

【一番忘れられない瞬間を物語にする】

忘れられない瞬間をインスピレーションし、物語の書き出しから記入する

① 物語の書き出しは何ですか?

② 物語の経験となった経験は何ですか?

③ イメージ画像を添えましょう。


ガイドの考え方

→このアウトプットをテーマにした背景

自分にとって好きな映画や物語、そのシーンには必ず「忘れられない瞬間」が含まれていると自分は思っている。みんなにとってのお気に入りではなく、みんなが共感出来なくてもよいので、自分の人生において一番忘れられない瞬間があれば、その瞬間がその人にしかない物語だと考えている為、今回のテーマにした。


*メンバー間のフィードバックにあたりアドバイス*

自分自身でも日々、自分の感情や行動について、自分へのフィードバックを心がけている。フィードバック時は美化をしたり余計な要素は含めず、起こったことをそのままを受け止め、繰り返すようにしている。また、相手へのフィードバック時は自分にない点など相手のいい面を伝えること。また、フィードバックされた側は褒めてもらったらひねくれた受け取り方をしないこと。フィードバックはまっすぐ投げてまっすぐ受け取るようにした方がよい。 


【未来mikuのアウトプット】

(1)心ってこんなに軽いものなんだ。

(2)私はある子(もともとすごく仲が良かった子)から3年間言葉によるいじめ(陰口のようなもの)を受けていました。中学校1年生になったときに初めて担任の女の先生が本気で耳を傾けてくれて、すべて話せた時の気持ちです。


【未来mikuの感想】

今回のセッションでは「出来ない理由を探すのは簡単なこと」というフレーズが心に響きました。自分ができることを考えて、今よりももっと多くのものに触れていきたいと思います!枝優花さん、ありがとうございました!



Inspire High

Inspire High(インスパイア・ハイ)は、アーティストやビジネスリーダー、

研究者など、第一線で活躍し、自分の人生を楽しむ様々な大人から、

自分の世界を広げるインスピレーションをもらう、オンラインサービス。

https://www.inspirehigh.com/ Inspire Highさんのnote


未来miku

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