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無駄なものってある? 段ボールアーティスト 島津冬樹 さん Inspire High レポート2

【Inspire High 活動報告書No.2】        

Article by:未来miku


開催日時:2020 8月2日(日)13:00〜14:30 

参加者 :未来miku


⦅無駄なものってある?  段ボールアーティスト 島津 冬樹さん

(1)島津さんのプロフィール

35カ国を10年かけて旅し、世界中の段ボールを収集。

段ボールでつくった財布を考案。段ボールアーティストとて、世界から注目を集める。

「ナイキ(NIKE)」や「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」との

コラボレーションアイテムも製作。

2018年にはドキュメンタリー映画「旅するダンボール」を公開。

捨てられたものに新しい価値を見出すアーティスト。


(2)年表History

5歳→貝殻収集に夢中になる

18歳→缶コーヒーのデザインに目を奪われ、デザイナーを夢見る

21歳→浪人生活を経て、多摩美術大学入学。段ボール財布をつくりはじめる

25歳→「3年で辞める」と宣言し、大手広告代理店に就職

28歳→段ボールアーティストとして独立


(3)島津さんへの質問

①なぜ段ボールで財布なのか?:

自分の財布がボロボロになって使えなくなり、家にあった段ボールでとりあえず作ってみようと思ったのがきっかけ。あくまでもきっかけは財布。素材が段ボールだったというイメージ。


②今まで作った作品数はどれくらいあるか?:

正式には数えていないが、すべて1人で作っているので、作れても1年間で300個くらい。現在作り始めて10年たったので約3000個。試作品も含めると1年間には400個~500個作っているかもしれない。


③仕事は段ボールアーティストのみで専業か?:

段ボールアーティストになった原点となる出来事は大学の文化祭。段ボールで作った財布を販売してみたら、好評だったことから作品を作り始めることになった。結果として、2018年の映画公開以降は段ボールアーティストのみで専業となった。


④35カ国10年間「段ボールの旅」の詳細を教えてほしい:

もともとは段ボールをみつける旅とは思っていなかった。

はじめての海外旅行でニューヨークに行ったとき、道に捨ててあったカラフルな段ボールを見つけたことが「段ボールの旅」のはじまり。日本とは違う段ボールの扱いがあるかもしれないと考えついた。段ボールに書かれている現地の言語だったり、その国にしかない「ご当地性」がおもしろい。例えば、トルコ旅行の際、日本でも販売されている伸びるトルコアイスのコーンの段ボールがあり、印象に残っている。


また、クロネコヤマトの段ボールは地域によって模様が違う。

フランスだと凱旋門とエッフェル塔のイラストが描かれているのもおもしろい。

それからというもの「段ボールの旅」では一般の観光は一切せず、段ボールを拾ったり、写真を撮ることに専念している。自分からすると「観光どころではない」という表現になる。今あった段ボールが明日にはなくなってしまうかもしれないので、

「一期一会」が夢中にさせる理由なのだと思う。


⑤「一期一会」のものはたくさんあると思うが、なぜ段ボールなのか?:

段ボールについての百科辞典がないので、まだ見ぬ段ボールが世界中にたくさんあること、それについての探究心からである。将来には自分で段ボール百科辞典やミュージアムを作れたらよいと思っている。


⑥多摩美術大学を進路として選択した理由を教えてほしい:

中学から高校2年生まではデザイナーはめざしておらず、マジシャンになりたいと考えていた。しかしながら、マジックだけでは将来食べていけないのではないかとも思っていた。

もともと絵を描くことが好きだったこともあり、ものづくりが好きなのだと気がついた。アートディレクターになりたいと思うようになり、多くの先輩を輩出している多摩美術大学を選んだ。結果として、多摩美術大学の情報デザイン学科でグラフィックデザインを学ぶ道に進んだ。


⑦社会人経験が役に立ったと思いますか?:

大学生の頃、進路を決める際、「一度社会人経験(3年位)をしておく方がよい。自分で活動をするのはその後にしたらどうか。」というアドバイスをもらった。それがきっかけとなり、まずは広告代理店に就職をした。

社会人のときにつけたメールや文書のマナー、人脈は会社を辞めた今でも役立っている。


(4)アウトプットについて

【捨てられないものを見つける。】

① 捨てられないものはなんですか。

② どんな思い出がありますか。

③ 画像を添付


ガイドの考え方

※このアウトプットをテーマにした背景:

自分が世界中を旅したことで、段ボール以外でも色々とコレクションをしている。

例えばペットボトルのラベル・現地のカップラーメンのふた・ホテルでもらったWiFiのパスワードの紙など。他人には何でもない物が、自分にとっては旅行での記憶だったり、物と自分の物語にあたると思っている。

自分の部屋を見渡して、自分にとっての宝物をみつけてほしい。


【未来Mikuのアウトプット】

(1)映画を見終わった後のムビチケカード

(2)今はインターネットや動画配信サイトで映画を見ることができるけど、自分は映画館で映画を見ることが大好きです。このムビチケカードは、前売り券のムビチケカードを買った時から映画を見るまでのワクワク感を思い出させてくれます。また、ムビチケカードを見るだけで、映画内に出てきたいろいろなシーンを思い出すことができ、一生忘れないだろうなと思っています!


【未来mikuのアウトプットに島津さんがフィードバック】:

今は映画もネット配信で見ることが出来る時代になった。

自分も海外に行ったときの電車チケットを捨てられず持っているので気持ちがわかる。

映画自体を持って帰ることは出来ないが、その映画を見た際の思い出が詰まっている物である事は間違いないと思う。


【島津さんから子供たちへのメッセージ】:

「捨てなければ良かった」と思うことが自分は一番つらい。今はもう自分に必要がないものでも「兄弟に譲る」「次の世代につないでいく」というのも一つかもしれない。


自分は「好き」という気持ちが強く諦めなかったからこそ今につながっている。身近なものを掘り下げていくと奥深い世界があるという事を覚えておいてほしい。

探究心とそれを続けていく情熱を持ち続けることによって、楽しい人生を送ってほしいと思う。

「無駄」か「無駄じゃない」かを決めるのは社会じゃなくて自分自身。無駄と思われるものを違う視点から見ることで新しい価値や共感が生まれていく。それによって思ったよりも「無駄はない」と思える世の中になっていくことを願っている。


【未来mikuの感想】:

セッション開始前に司会の清水イアンさんから、日本における1人あたりの1年間の段ボール消費量が150個という情報を教えてもらいました。言い換えると2.3日に1個の割合で日本人は段ボールを消費している事になります。意識していなかったけれど、通販で商品を頼んだり、梱包に使ったり、していたことにあらためて気づきました。


また、今回の島津さんのセッションでは、世の中にある物全てが無駄だとは限らないということに気が付きました。それに加え、自分の大切な物や忘れられないものをあらためて再確認できました。私は自分の好きな物をさらに好きになって、深く知ろうと思えました。島津さん、ありがとうございました!


Inspire High

Inspire High(インスパイア・ハイ)は、アーティストやビジネスリーダー、

研究者など、第一線で活躍し、自分の人生を楽しむ様々な大人から、

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https://www.inspirehigh.com/ Inspire Highさんのnote


未来miku

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