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「水の危機にどう立ち向かう?」《環境保護活動家/社会活動家》ラジェンドラ・シン(インド)さん Inspire High レポート15

Article by:未来miku

開催日時:2021 9月11日(土)21:00 

参加者 未来miku




(1) ラジェンドラ・シン さん プロフィール  

インドの環境保護活動家。環境、そして川の再生を自身の生涯をかけて取り組んでいる。インドに流れる12の川を蘇らせ、自然と調和することこそが、私たち人類にとって最善の生き方であることを学び、30年間、水質保全をすすめる活動を続けている。世界で3番目に水が汚染されていると言われているインド。医師であったラジェンドラさんはインドのある村に赴任した時、汚染された水の影響で村人の視力が低下している事に気づいた。川が一つ衰退すると町全体が衰退してしまうといわれていることから、ラジェンドラさんは水の問題が解決しなければ、人々の命を救うことは出来ないと考えた。その土地の伝統的な技術を用いて治水池をつくることで干上がっていた12の川をよみがえらせ、1200の村を水不足から救った。インドでは1億人以上がまだ安全な水を手に入れられず、年間20万人以上が不衛生な水が原因で亡くなっている。人口増加や大量消費社会の影響もあり、世界中で水不足が深刻になるなかでラジェンドラさんは活動を続けている。


InspireHighのHPから引用:https://www.inspirehigh.com/guide


★司会のイアンさんからのコメント・学び


世界中200カ国以上ある国の中で水道水が飲める国は20カ国であるといわれている。また、2021年の世界人口が78億人を超えた中で、22億人がそもそも水道がない場所で暮らしているともいわれている。日常で水がどれくらい重要かを考えてほしい。マダカスカルでは気候変動により干ばつ状態が続き、結果として飢餓の状態にある人が増えている状況である。


※インドの首都デリーから中継


(2)ラジェンドラ・シンさんへの質問等


インドでは気候変動により、干ばつで水不足がおきている。また、反対に地球温暖化による局地的な洪水等、両方の災害がおきている。農業が出来なくなり、自分の住まいを変えなければならず、都市部に人が集中してきたという変化も発生している。農村・川のほうに人が戻るためには治水等の技術対策が必須である。


具体的にどのような活動をしているのですか。

砂漠のように乾いた場所、水の不足した場所に水や緑が豊かになるよう変化をさせ、命がまた育ち・人が戻ってこられるような場所にする活動


2.ラジェンドラさんから見たインドの水の状況を教えて欲しい。

悪循環がおきている。持続可能でない水の使われ方に集中的にされているため、川から水がなくなってしまい水が枯渇してしまった状況にある。水がなくなったせいでその場所に住めなくなり都心部に人が集まってきている状態となっている。水がなくなれば緑も育たないという悪循環になっている。


3.実際、人々はその状況について何と言っていますか?

自分が25才位の頃の話であるが、治療をした際にある年配夫婦に「薬や教育はいらない。私達に必要なのは水だ」言われてしまった。自分は医師でありエンジニアではないと伝えたところ、なんとその年配夫婦が2日間かけて、「地質学」や「水質学」「ダムに関する知識」を教えてくれた。彼らは、それらについて豊富な知識と経験を有していた。


4.水を実際、どうやって生き返らせるのか。村の人からの教えてもらった知恵とはどのようなものか。

まず断裂を調べる。そして貯水池に水がたまるようにし、その土の水が地下に流れ、地下水がまわりの井戸でも使えるようにする。井戸水の水位があがることによって、農業や家畜にも与えられるようになる。最後にはまた、水を再利用し、循環させるという知識である。


5.つらかった事はどんなことですか。

地域全体で鉱山業が盛んだったにもかかわらず、生態系として必要なゾーンの保全のために裁判所に行って、採掘の中止を申請したことである。水道法の兼ね合いで牢屋にいれられてしまい、攻撃を受けた事もあった。


6.日本の若者は水の危機に対して何が出来るだろうか。

川の重要性や貯水池の状況など、水の現状についてまずは理解して欲しい。

土地の侵食状況にも目をむけてほしい。そして学んだことを色々な人にひろめてほしい。


7.職業を変えてまで水の保全活動をすることに恐怖心はありませんでしたか。

自分は秘めたエネルギーでチャレンジする人間なので、ポジティブに考え、怖さはなかった。人間の医師ではなく地球の医師だと考えるようになった。結果として人々だけでなく、地球に変化をもたらすことが出来たと考えている。


8.どれ位の人や村に影響をあたえたのでしょうか。

もともと住むことが出来なくなっていた1200ほどの村に人々が住めるようになった。人数としては70万人ほどにあたる。結果として、33年間の活動となるが、10800㎢の不毛地帯を緑化出来た。また、その活動は自分ひとりではなく、コミュニティとしてひろがり、気候変動を緩和させる行動にもつながっていった。


9.水の危機にどう立ち向かうか。私達は何が出来るか

コミュニティにより水道と下水をきちんと分別し管理された再利用システムを機能させる事こそが、すべての動植物へと水を供給するために必要だと思われる。


10.子供達へメッセージをお願いします

みなさんの未来の幸せに水は不可欠です。地球の動植物のために水の保全活動を行ってください。また、水を大切に使って下さい。



(3)アウトプットについて


【水の大切さを伝えるアイデアを考える】

(1)タイトルはなんですか。

(2)アイディアの詳細を教えてください。

(3)イメージ画像を添えましょう。


~ガイドの考え方~

☆アウトプットにあたりポイントは今回2つ☆

①日本の10代を対象にする。

生まれた時から水が当たり前にあって、命においての水の大切さを知らない同世代の人々へ伝えるための企画やアイデアを考える

②アイディアは何でもOK。映画・ポスター・YouTube・#タグによるSNS・勉強会など想像力を働かせてアウトプットすること。


(1)生き物育成ゲーム

(2)植物や食べ物、水を使うものを1から育てるスマホシミュレーションゲーム。



未来mikuの感想

今回は、今までの水への考え方が変わるようなセッションでした。水が汚染されている国があり、それが問題として考えられていることは知っていましたが、ここまで深刻だとは思っていませんでした。また、汚染問題だけでなく、人々の暮らす場所にも影響を与えていたことが聞くことが出来て、自分も水の保全活動に少しでも行動しなければと感じました。ラジェンドラさん、ありがとうございました!


今回の記事に関連して、noteで関連記事(環境省HPにおけるバーチャルウォーターと仮想水計算機について)を紹介しています。もしよろしければ、そちらもご覧ください!


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