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「ローカルの魅力をどう見つける?」 旅する料理人《エベレストのレストランとは》 ジェームス・シャルマン さん Inspire High レポート11

       

Article by:未来miku

開催日時:2021 4月25日(日)13:00〜14:00 

参加者 未来miku

ローカルの魅力をどう見つける? 旅する料理人《エベレストのレストランとは》 ジェームス・シャルマン

*ライブ配信当日は 台湾 から参加



(1) ジェームス・シャルマンさん プロフィール

イギリス出身の料理人。デンマーク・コペンハーゲンにある世界トップクラスの名店「NOMA(ノーマ)」などで経験を積む。NOMA(ノーマ)を辞めてからは世界中を旅し、ポップアップレストラン・プロジェクト「One Star House Party」を仲間とともにスタートした。そこでは誰も見た事のない新しいメニューを生み出している。そのメニューとは地元の人と協力しながら、シェフとしての技術とそこにしかない文化や食材を融合させたものである。時には、現地の人の家のキッチンやエベレストの山の上(ヒマラヤ山脈の標高およそ5300メートル地点・ベースキャンプ)を舞台とした期間限定レストランのプロジェクトをおこなっていた。現在はアジア・アメリカを中心に活動している。



(2)ジェームスさんへの質問

1.世界トップクラスの名店「NOMA(ノーマ)」で働くまでどんなことをしていましたか。

15歳の時にアルバイトを探していたが、それがたまたまレストランだった。そして、学校に通いながら週末にレストランで働く事になったのがきっかけである。

そこでの食べ物とのかかわり方やチームの関係性が大好きになっていき、学校を卒業する頃には自分はシェフなのだと実感を持つようになった。目標は世界のトップクラスのレストランで働くことであり、少しずつではあるがより良いレストランで働くというステップアップをしながらの日々を過ごしていた。NOMA(ノーマ)で働くようになるまで10年かかったが、それまでの経験は本当に貴重だったと思う。


2.NOMA(ノーマ)を比較的早く(6ヶ月ほどで)やめてしまったのはなぜですか?

15才から25才までは次のステップに進むためのことを常に考えていた。実際、世界トップクラスのレストランで働くことになってみて、自分の次のステップは何かわからなくなってしまった。また、同じレシピを作り続けることに疑問を感じ「メニューを決めないレストラン」を思いついた。誰もやったことのないことを実行したいという気持ちがあった。NOMA(ノーマ)のシェフたちはそれぞれ素晴らしい人達ばかりだったが、その人達を超えたいと考えるようになった。


3.NOMA(ノーマ)を辞めてノマドシェフになり、ポップアップレストランツアーをやろうと思ったまでの経緯を教えてほしい

ノマドで働く前にしばらく香港に住んでいた。香港はとても好きな場所だった。自分のアパートでレストランをやろうと思っていた。メニューも決めており、10コースで具体的なイメージもあった。しかしながら、実際に食材を探してもなかなか見つからず、代替品を使った。その結果、自分が考えていた料理とは違うものが出来た。まるで香港風に当初のアイディアがアレンジされたかのようだった。

自分のメニューと環境が融合し、想像を超える面白い料理が生み出されたと思った。そこからアイディアが芽生え、色々な場所で同じ事をやった場合、学べることがたくさんあるのではないかと考えた。


4.今まで言った国で一番思い出深い場所はどこですか

ケニアである。気候の関係から食材が限られており、穀物中心で対応する料理というイメージを持っていたが実際は違った。複雑で奥深かった。

韓国も同様である。古くは農作物の不良や飢饉の経験があった国は、たくさんの工夫がされており、食材を長持ちするように変化させてきた。それが真の料理だと自分は考えている。

素晴らしい料理は困難な状況の中から生まれるのかもしれない。

土地が肥えていて、何千年も飢饉がなかった国は工夫する必要がなかったため、料理がシンプルであるような気がしている。


5.ポップアップレストランを立ち上げていた際、不安や恐怖はありませんでしたか

旅行先の国の伝統料理以外を受け入れてもらえるかという不安は当然あった。しかしながらその不安を解消するには行動するしかないと思っていた。日々のやるべきことで毎日を埋め尽くせば、自分の設定した目標に近づいていくので、不安は解消されていく。プレッシャーが多い環境の時は、余計な事を考えすぎてしまう時間を減らす事と問題の解決に集中するようにしている。


6.自分のスタイルはどうやって見つけましたか

あくまでも自分の場合ではあるが、自分のスタイルを決めなかったということが結果として自分のスタイルとなったのかもしれない。世界を旅することによって、その都度さまざまなことがリセットされる。すべて始めから作り始めることとなる。そのため私はスタイルを持っていないと言える。なお、決まったスタイルを欲しいとも思わない。


7.地元の魅力はどうやって見つけますか。

目的を持つ事で魅力は見つかる。例えば、リゾート地に旅行に行きプールを見つける目的ならば、簡単にそれは見つかる。しかしながら、自分の場合はシェフなので、まずは旅行先の国で皿を300枚買う必要があった。ポップアップレストラン・プロジェクトを喜んで手伝ってくれる地元の人との出会いから、目的が達成され新しい発見が広がっていった。小さくてもよいので必ず目標を設定してほしい。目標のために行動することで新しい発見や気づきが得られるはずである。



(3)今回のアウトプット

 旅先での発見を書いてみる

(1) エピソードを教えてください。

(2) そこで得た気づきは何ですか。

(3) イメージ画像を添えましょう。


*ガイドの考えかた

今回のテーマには色々な考え方があると思っている。「旅」とは家からの物理的な移動だけのことを指すのではない。自らの感性、魂の「旅」をも指す。自分のそれまでの考え方から、その場がいかに離れているかということだ。

今までに会ったこともないような人々とのコミュニケーションもその一つである。重要なのは、そこでの発見や学び・気づきが自分の未来にどう影響するかということである。


未来mikuのアウトプット

(1)学校の初等部の修学旅行がオーストラリアだった。スーパーで買い物をする際、日本では買う物はカゴに入れ手持ちでレジに運ぶことが多い。買い物の量が多い場合に、はじめてカートを使う事が一般的である。それに比べ、オーストラリアのスーパーでは、カゴを手に持ち買い物をしている人は見当たらず、皆カートに商品を入れていた。

(2)カゴを使わないとは考えもしなかったので、はじめは探してしまった。そしてカゴを置いていないことを知り驚いた。購入する量や頻度の違いによるものかもしれないが、国によって買い物のしかたが違うことにあらためて気づいた。


今回のテーマについてジェームスさんからのメッセージ

「One Star House Party」を仲間とおこなっていくにあたり「過去形で考えることを禁止」というルールを作っている。言い換えれば、「私たちのチームでは、できるだけ現在形と未来形で話す」という意味になる。場面によっては不適切になることもあるが、このプロジェクトを進めるにあたっては、過去にとらわれず、不安や恐怖をおさえることにつながっている。そうすることで、目的に向かってみんなで同じ方向、そして常に新しい方向へ動くことが可能になる。特に子供達には、現在と未来にエネルギーを使ってほしいと思う。外の世界には、多くの学びを与えてくれるチャンスがある。


感想:

今回のライブ配信を見て、「ポップアップレストラン」や「ノマドシェフ」という言葉を含め、まったく自分では想像していなかった職業があることを知りました。また、はじめて何かに取り組む場合、必ず不安や恐れは発生すると思いますが、できるだけ現在と未来を考え行動することで解消するという知恵も教えていただき、とても参考になりました。ジェームスさん、ありがとうございました!


今回の記事に関連して、noteに具体的なエベレストの山の上にあるレストランの様子やノマドシェフとポップアップレストランの概要をアップしてみました。もしよろしければ、そちらもご覧ください!


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Inspire High(インスパイア・ハイ)はアーティストやビジネスリーダー、

研究者など第一線で活躍し、自分の人生を楽しむ様々な大人から、

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