Article by:未来miku
開催日時:2022 2月19日(土)21:00
参加者 未来miku
(1) 弁護士:水野祐 さん プロフィール
弁護士(東京弁護士会)。Creative Commons Japan理事。Arts and Law理事。九州大学グローバルイノベーションセンター(GIC)客員教授。慶應義塾大学SFC非常勤講師。note株式会社などの社外役員。テック、クリエイティブ、まちづくり分野のスタートアップから大企業まで、新規事業、経営戦略等に関するハンズオンのリーガルサービスを提供している。著作に『法のデザイン −創造性とイノベーションは法によって加速する』、共著に『オープンデザイン参加と共創から生まれる「つくりかたの未来」』など。
InspireHighのHPから引用:https://www.inspirehigh.com/guide
(2)年表History
18才 慶應義塾大学法学部に入学
28才 司法試験に合格し弁護士になる
33才 シティライツ法律事務所の立ち上げ
(3)水野祐 さんへの質問等
1.「法律」とはそもそも何なのでしょうか。
「国とそこに暮らしている人の約束事」といえるのではないかと自分は考えている。
2.その約束事とは、日々の中で私たちにどのように関わっているのでしょうか。
私たち自身に「国と約束している」という意識はないと思うため、どちらかというと「国と約束したということになっている」というイメージに近いと思う。「社会契約」という言葉があるが、これは国家とその国民が互いに契約を結んでいるからこそ、社会や国家が成立するという政治学・法学用語にあたる。
3.生まれながらに国と契約をしていると思うと怖い気もするが、どうなのだろうか。
確かに自分が自由に活動をしたくても、まわりの人々や環境への影響から実行出来なかったり、やりにくいなどの不便さはあるかもしれない。しかしながら、たとえ国自体がが暴走しようとしても、法律があるおかげで国民の基本的な人権や権利を守ってもらえるという側面もある。
4.私たちに身近な法律を教えてほしい。
交通ルールや著作権法などがあげられる。
5.法律は難しい言葉や言い回しが多い。なぜだろうか。
「二義を許さない」という言葉がある。この言葉のように、法律に難しい言葉や言い回しが多い理由は、別の意味にとられないように最新の注意を払って書かなければならないからだ。別の解釈を許さないよう、正確に書くというスタイルになっているため、言葉や文章が難しくなってしまう。
6.弁護士とはどんな役割・仕事なのでしょうか
典型的な弁護士のイメージとしては、犯罪をおこした人やその容疑がかけられている人を守っているということが挙げられると思う。それらだけでなく、個人の離婚・相続・起業や、個人間トラブルの解決のためにおこる裁判の弁護・代理人をするなども仕事の内容になる。
しかし、自分の弁護士業務の内容は少し異なっている。
上に記述されている仕事内容は事件がおきた後の解決時に行うものにあたる。自分の場合は事件が起きる前の早い段階から問題が発生しないようにするための予防的な部分で、クライアントと関わっていくことが仕事内容である。クリエイターの契約であったり、事業が進んでいく際に法律的な部分でサポートしていくということ業務内容になる。
7.弁護士をめざしたきっかけは何ですか
大学の頃、音楽や映画などが好きで、クリエイターを支える仕事をしたいと考えるようになった。昔は大学の図書館でインターネットを使い、たくさんの音楽をダウンロードして楽しんでいた。当時は違法ではなく、たくさんダウンロードが可能な時期であった。
大学を卒業する頃には、そのような行為に対してアメリカで訴訟がはじまり、ミュージシャンにとってどのような状況になるといいのかを自分で考えるようになった。法学部にいたので、弁護士資格を持つ事によってミュージシャンたちを支えられるようになりたいと考えるに至った。
8.表現の自由を守るという面での法律とはどんなものがありますか。
表現の自由を守るというより、表現の可能性を広げる法律としては著作権があげられる。表現の自由という観点においては、著作権は法律的に「表現の自由の重要な例外」にあたると言える。例えば、著作権という法律がなかったら、他人の作品と100パーセント同じ表現を使っても表現の自由として合法になってしまう。著作権という法律があることによって、クリエイター等の収入や生活を守ることにつながっている。また、そのため、安心して他の作品を作れるという良い循環をも生み出していると言えるだろう。
9.ルールとは誰かの権利を平等にするためであったり、平等な社会をつくるためにあると考えられるが、そのような平等性を保つために、ルールを作る時に大切にすべき事は何ですか。
一部の人だけではなく、大勢の人がルール作りに参加できて、意見を言い合える機会を確保しておくことが一番重要だと思う。しかしながら、実際法律を作る際に、全員に話を聞くことは現実的ではない。だからこそ、誰をどういう風にその機会に参加させるかが難問である。ルール作りの場を誰でも可視化するようなメディアを作ったり、今まで以上にデジタル技術を活用できるようになれば良いと思う。
10.みんなが自分のやりたいことを自由に出来る社会があれば良いと思っていたが、ある時に先生からその自由を悪い事に使う人もいると教えてもらった。ルールがないと犯罪が増えたり、多くの人が傷つくこともあるかもしれない。ルールの中に自由が存在すると思いますか。
ルールや制約があるからこそ、自由の価値が生まれると自分は考えている。同時に重要なこととして、ルールや制約は常に変化するものであって、時代とともに変わっていることも意識する必要がある。ルールだから守るというよりも、そのルールがなぜ存在しているかというところに立ち戻れるようにしておく必要があると思う。
11.今回のテーマ「ルールはなぜ必要?」について水野さんのご意見を聞かせてください
法律というものは学校の校則、家族・友人間・会社のルールなどのように、色々な種類がある。それらは人々が心地よく暮らしていくために作られており、社会を豊かにするためのツール・テクノロジーだとも思っている。ツールであるならば、そのツールがいつも新鮮に保たれている必要があり、かつ人々が自分のものとして使っていくというマインドも求められてくると思う。
(4)アウトプットについて
【体育祭・文化祭をみんなが楽しめるルールを作る】
(1)どんなルールですか。
(2)その理由はなんですか。
(3)イメージ画像を添えましょう
(1)クラス別での文化祭の出し物の他に、学年・クラス関係なく組んだブース(出し物)を出してもいいというルール
(2)文化祭ではクラス別や部活別でブースが出展されることがほとんどです。そのため、「一緒に○○したかったな」などと思っていた友達とクラスが違った時や、人見知りであまりクラスの出し物には参加できなかったなどがあっても、自分で出し物を出す仲間を選べるので、楽しめるのではないかと思います!
(3)Inspire High に提出済
未来mikuの感想
今回のセッションでは、今までの法律への印象が変わりました。法律があるからこそ自由な暮らしが出来ているわけであって、それがとても重要であるということを再確認できました。また、今回のセッションを聞いて、私たちは全員小さいころからルールに関わり、そのルールに沿って自由な生活をおくるということを、法律以外でも経験していると思いました。特に学生は校則などがあり、法律以外のもので、学内のルールに従いつつ、自由に学生生活をおくっています。
水野祐さん、ありがとうございました!
今回の記事に関連して、noteでリンクを紹介しています。もしよろしければ、そちらもご覧ください!
Inspire High
Inspire High(インスパイア・ハイ)はアーティストやビジネスリーダー、
研究者など第一線で活躍し、自分の人生を楽しむ様々な大人から、
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Inspire Highさんのnote
未来miku
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